稼ぎ方

【IPOの基礎知識】資金拘束を理解して効率良くIPOに参加しよう

「IPOって何かデメリットとかあるの?」

「IPOで資金拘束されるってどういうこと?」

そんなIPO初心者に向けた記事になっています。

 

どうも。SK2 a.k.a. マンビー(@SK2akaManbe)こと、IPOで小銭稼ぎするマンです。

以前の記事でIPOに参加するための方法や儲け方について解説しました。

IPOは勝率9割、かつ、損小利大を狙った投資ができるので絶対に参加すべきですが、IPOへ参加する際の注意点として「証券会社によっては資金拘束を受ける」という話をしました。

 

この記事では、IPOに参加するなら絶対に知っておきたい「資金拘束」について詳しく解説するとともに、各証券会社の資金拘束ルールについてまとめたいと思います。

IPO初心者の方はこの記事を読んで、”効率良く”IPOに参加する方法を理解しましょう。

スポンサーリンク

IPOにおける資金拘束とは?

それでは早速、資金拘束について解説したいと思います。が、IPOの流れが頭に入っていない方は、『【IPOの流れ】参加方法から購入までの流れと儲け方をセットで解説』の記事を最初に読んでいただくことをおすすめします。

IPOの流れとしては証券会社により、

  • 抽選 ⇒ 購入申込
  • 購入申込 ⇒ 抽選

の2パターンに分かれることをおさえておいてください。

IPOの流れ

 

IPOにおける資金拘束とは、「購入希望価格×購入希望株数」以上の資金を証券口座に入金する必要があり、入金した資金はIPO抽選が終わるまで引き出すことができなくなることを言います。

入金が必要なタイミングや資金拘束を受ける期間は各証券会社により異なっており、長ければ2週間程度の資金拘束を受けることになります。

資金拘束の問題点

IPO投資家にとって、資金拘束は何が問題なのでしょうか?

「投資は余裕資金でやってるし、2週間くらい引き出せなくても問題ないよ」と思われた方もいるかもしれません。

確かに投資資金が潤沢にある方なら資金拘束はさほど問題になりません。ですが、僕のような資金力の小さい投資家にとっては大きな問題となってくるのです。

なぜなら、IPOで1番難しいのはIPO抽選に当選することだからです。

IPOの当選確率を上げるためには、IPOを取り扱うすべての証券会社から申込上限株数の上限まで申し込むことが1番なのですが、それには大きな資金が必要となります。

最大でどれくらいの資金が必要になるか、1つのIPOに対し各証券会社からIPOに参加する場合を考えてみます。

例えば、あるIPOが仮条件の上限額3,000円、単元数100株、それを取り扱う幹事証券会社が10社だったとします。

A証券会社では、申込上限株数100株であり30万円の資金が必要になります。B証券会社では、申込上限株数が1,000株であり最大で300万円の資金が必要になります。C証券会社では、申込上限株数がなく資金のある限り申し込んだ方が当選確率が上がります。

というように、証券会社によりIPOルールも異なるので、10社からIPOに参加する場合、最低でも300万円(3,000円×100株×10社)、最大ではあなたが許す限りの資金が必要ということになります。

しかも実際には、2~3個のIPOが同時にある場合もあるので、すべてのIPOに参加するためにはさらに多くの資金が必要になります。

つまり、資金の少ない投資家ができるだけ多くのIPOに参加するためには、資金拘束のある/なしや資金拘束のタイミング・期間は大きな問題になるのです。

資金拘束の意義

資金拘束の意義って何でしょうか?

証券会社からすると、IPOに当選しても資金がなくて購入できないような投資家は困るのです。本気でIPOを欲している個人投資家は他にもたくさんいますから。できればそういう投資家にIPOを割り当ててあげたいわけです。

そのため、IPOに参加する投資家に「お前最低限の資金持ってんのかい!」と最初に確認しておこうというわけです。

IPO投資家からすると資金拘束は結構困ると思うんですが、逆に考えると、お金もないのにとりあえずIPOに申し込むにわか投資家を排除することになるので、母数(申込者)が少なくなり当選確率が高くなるとも考えられます。

どちらも一長一短あるということですね。

IPOにおける資金拘束のタイミングと期間

証券会社のルールにより、資金拘束のタイミングは以下の5パターンに分かれます。

  1. ブックビルディングへの参加時(抽選⇒購入申込)
  2. 抽選時(抽選⇒購入申込)
  3. ブックビルディングへの参加時(購入申込⇒抽選)
  4. 購入申込時(購入申込⇒抽選)
  5. 資金拘束なし(当選後、購入時に資金を入金)

 

図にすると以下のようになります。

 

当たり前ですが、資金拘束期間は短い方が有利、長い方が不利と考えてください。なぜなら、短ければ資金を効率的に活用してIPOに参加するチャンスが増えますが、長いと資金を動かせずIPOに参加できるチャンスが減るからです。

1. ブックビルディングへの参加時(抽選⇒購入申込)

IPOの流れがパターン1(抽選⇒購入申込)の場合で、ブックビルディングへの参加時に資金が必要になるパターンです。

資金拘束の期間は「ブックビルディングへの参加~抽選に外れるまで」となります。抽選に当たれば、証券口座から「公募価格×当選株数」分の金額が引かれ、IPO株が割り当てられます。

ブックビルディング期間が約5~7日、抽選日を1日と考えれば、資金拘束を受ける期間は1週間程度となります。

2. 抽選時(抽選⇒購入申込)

IPOの流れがパターン1(抽選⇒購入申込)の場合で、抽選時に資金が必要になるパターンです。

ブックビルディングへの参加時には資金は不要ですが、抽選日(もしくは、証券会社によって定められた日)までに、資金を入金しておかなければ、抽選に参加できなくなります。

資金拘束を受ける期間は抽選日の1日だけですが、入金を忘れてしまわないようにブックビルディング参加時には入金しておいた方が良いと思います。

3. ブックビルディングへの参加時(購入申込⇒抽選)

IPOの流れがパターン2(購入申込⇒抽選)の場合で、ブックビルディングへの参加時に資金が必要になるパターンです。

資金拘束の期間は「ブックビルディングへの参加~抽選に外れるまで」となり、資金拘束を受ける期間が最も長くなります。

ブックビルディング期間が約5~7日、購入申込期間が5~7日、抽選日を1日と考えれば、資金拘束を受ける期間は10~14日程度となります。

この資金拘束ルールを採用している証券会社は、IPO投資家にとっては不利だと言えます(資金を効率的に動かせないため)。

4. 購入申込時(購入申込⇒抽選)

IPOの流れがパターン2(購入申込⇒抽選)の場合で、購入申込時に資金が必要になるパターンです。

資金拘束の期間は「購入申込~抽選に外れるまで」となります。

購入申込期間が5~7日、抽選日を1日と考えれば、資金拘束を受ける期間は1週間程度となります。

5. 資金拘束なし(当選後、購入時に資金を入金)

IPOの抽選に当たり、実際に購入する際(もしくは、証券会社により定められた日まで)に、資金を入金すれば良いパターンです。

当選時のみ資金を入金すれば良いので、資金拘束はありません。

IPO投資家にとっては非常においしいルールで、このルールを採用している証券会社のIPOには必ず参加しておくべきです。

ただし、資金がない人でもIPOに参加者できることを考えると、参加者の母数が多くなる分、当選確率は低くなると言えるでしょう。

IPOの資金拘束ルールに関する注意点

最後に注意点を1つ。

上記のように、証券会社によりIPOの資金拘束ルールは少し異なっているのですが、採用しているルールが時折変更されることがあります。

今まで資金拘束があったのに、ルール変更により資金拘束がなくなったということも過去にありました。

ルールが変わったときは、上記で説明した資金拘束のパターンのどれに当てはまるのかを調べ、どうすれば効率良く資金を回せるのかを考えるようにしましょう。

ルールも度々変わることがあるので、最新の情報については各証券会社のHPを確認するようにしてください。まとめサイトもありますが、情報が古いことが多く、言ってることも違うので逆に混乱しちゃいますよ。

最後に表でも資金拘束のパターンをまとめておきます。

拘束パターン 資金拘束期間 抽選&購入申込の順番
資金拘束① BB~抽選(1週間程度) 抽選 ⇒ 購入申込
資金拘束② 抽選時のみ(1日) 抽選 ⇒ 購入申込
資金拘束③ BB~抽選(2週間程度) 購入申込 ⇒ 抽選
資金拘束④ 購入申込~抽選(1週間程度) 購入申込 ⇒ 抽選
資金拘束なし なし(当選後、購入時に入金)

※いずれも抽選に外れれば資金拘束は解除

 

各証券会社のIPOルール

先ほども言った通り、証券会社によりルール変更される場合もあるのですが、皆さん気になると思うので、各証券会社のIPOの資金拘束ルールをまとめておきました(2019/9現在)。

2019年だけでもIPOを取り扱った証券会社は30社以上あるので、ネットからIPOに参加でき、かつ、直近で幹事証券会社となった回数が多い10社のみまとめています。

SBI証券

SBI証券は資金拘束パターン②で抽選時のみです。

ただし、パターン②とも少し違っていて、抽選日にも資金は拘束されませんが、買付金額以上の買付余力がないと抽選対象外となります。

ただし、抽選日時の時点で応募した買付金額以上の買付余力が確認できないと、抽選対象外となります。

SBI証券の「よくあるご質問 Q&A」より引用

 

また、当選/補欠当選の場合、抽選結果が出た時点にて、「発行価格×当選株数」の買付余力が拘束されます。

>>SBI証券のIPOルールを確認する

野村證券

野村證券は資金拘束なしです(IPOの流れは抽選⇒購入申込)。

当選/補欠当選後に、購入申込意思表示をした時点で資金拘束となります。

>>野村證券のIPOルールを確認する

大和証券

大和証券は資金拘束パターン①です。

ただし、パターン①とも少し違っていて、ブックビルディングへの申込時点と抽選時点に入金されていればよいです(申込後~抽選直前までは資金を抜いてもOK)。

「抽選参加の申込時点」と「抽選時点」におきまして、購入概算代金(申込銘柄の仮条件価格の上限×1単元)以上のお預り資産が必要となります。

大和証券の「よくあるご質問」より引用

 

また、当選/補欠当選後、購入申込意思表示をした時点で資金拘束されます(入金時期と拘束時期が異なる)。

>>大和証券のIPOルールを確認する

みずほ証券

みずほ証券は資金拘束パターン①です。

ただし、パターン①とも少し違っていて、ブックビルディングへの申込時点で入金が必要です。

インターネットを通じた抽選参加サービスのお申し込み時には、申込概算金額以上の「MRF・お預かり金」(買付可能額)が必要です。

みずほ証券の「よくあるご質問」より引用

 

また、当選/補欠当選後、購入申込意思表示をした時点で資金拘束されます(入金時期と拘束時期が異なる)。

>>みずほ証券のIPOルールを確認する

SMBC日興証券

SMBC日興証券は資金拘束パターン①です。

ブックビルディングへの参加(需要申告)時点で必要な資金が拘束されます。また、ブックビルディングへの参加後に買付可能額に不足が発生した場合は、抽選日までに不足額を入金しなければ抽選対象外となります。

日興イージートレード公募・売出は「前受方式」となりますので、需要申告の前に申告代金相当額のお預り金または日興MRFが口座に必要となります。また、需要申告後に買付可能額に不足が発生し抽選日までにご入金いただけない場合は、需要申告は無効となり、抽選の対象外となります。

SMBC日興証券の「よくあるご質問」より引用

 

>>SMBC日興証券のIPOルールを確認する

マネックス証券

マネックス証券は資金拘束パターン①です。

ブックビルディングへの参加(需要申告)時点で必要な資金が拘束され、他の取引にも利用できなくなります。

ブックビルディング(需要申告)には、その銘柄の申告相当額があらかじめ口座に入金されている必要があります。 ~中略~ 需要申告をすると他の取引にはご利用できなくなります。

マネックス証券の「よくあるご質問」より引用

 

>>マネックス証券のIPOルールを確認する

岩井コスモ証券

岩井コスモ証券は資金拘束パターン④です。

購入申込時点で必要な資金が拘束されます。

購入申込入力時点で上記の余力から必要金額を拘束いたします。抽選の結果「落選」となった場合には即座に余力が回復します。

岩井コスモ証券の「お取引について」より引用

 

>>岩井コスモ証券のIPOルールを確認する

楽天証券

楽天証券は資金拘束パターン④です。

ただし、資金拘束は購入申込時ですが、ブックビルディングへの参加時点で申込金額以上の入金が必要となるため、パターン③に近いと言えます(入金時期と拘束時期が異なる少し特殊なパターン)。

ブックビルディングのお申込み時点では、資金は拘束されません。購入申込をおこなった時点で拘束されます。

楽天証券の「よくあるご質問」より引用

 

>>楽天証券のIPOルールを確認する

松井証券

松井証券は資金拘束なしです(IPOの流れは抽選⇒購入申込)。

当選/補欠当選後に、購入申込意思表示をした時点で資金拘束となります。

>>松井証券のIPOルールを確認する

ライブスター証券

ライブスター証券は資金拘束なしです(IPOの流れは抽選⇒購入申込)。

当選/補欠当選後に、購入申込意思表示をした時点で資金拘束となります。

>>ライブスター証券のIPOルールを確認する

岡三オンライン証券

岡三オンライン証券は資金拘束なしです(IPOの流れは抽選⇒購入申込)。

ただし、当選/補欠当選後、入金締切日の15時までに必要金額以上を入金する必要があります。

>>岡三オンライン証券のIPOルールを確認する

資金拘束を理解して効率良くIPOに参加しようまとめ

それでは、最後に記事のまとめです。

本記事のまとめ
  1. 資金拘束は資金力の小さい投資家にとって厄介な問題
  2. 資金拘束のタイミングや期間は証券会社により異なる
  3. 最新のルールは各証券会社のHPで確認しよう

 

資金拘束は僕のような弱小投資家にとっては厄介な問題ですが、それにも一長一短あるので、各社のルールを素直に受け入れて、効率良くIPOに参加するようにしましょう。

“効率良く”というのは、資金拘束を受けるタイミングや期間を考慮して、できるだけ多くの証券会社からできるだけ多くのIPOに参加できるようにしましょうという意味です。

なぜなら、IPOの当選確率を上げるためには、できるだけ多くの証券会社から申し込むことが1番なので。

しかし資金が少ない場合、どうしてもすべての証券会社のIPOには参加できないということもあると思います。

そういう場合はできるだけ当選確率の高いと思われる証券会社からIPOに申し込んだ方が良いですよね。というわけで、当選確率を上げるために知っておきたいIPOの基礎知識についてもまとめておきましたので、以下の記事も参考にしてみて下さい。

 

最後までお読みいただきありがとうございました
m(_ _)m

おわりでーす。

スポンサーリンク
関連記事