「イオンフィナンシャルサービスの2021年の本決算どうだったの?」
「イオンフィナンシャルサービスを投資先として検討している!」
そんな方に向けて、イオンフィナンシャルサービスに投資している僕の決算分析内容を共有します。
どうも。SK2 a.k.a. マンビー(@SK2akaManbe)こと、イオンフィナンシャルサービスに投資するマンです。
2021/4/9に僕のポートフォリオを構成する銘柄、「イオンフィナンシャルサービス」の本決算(4Q決算)が発表されました。

本決算発表からすでに1ヶ月近く経過してしまいましたが、決算分析記事を書きたいと思います。
イオンフィナンシャルサービスは新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、早々に大幅減益&大幅減配を発表し株価が1,800円→700円台まで大暴落していました。
ところが、2020年10月頃から上方修正&増配期待から株価が徐々に回復し、2021/3/22には一時的に1,600円を超える場面もありました。
そこでこの記事では、これまでの業績予想に比べ本決算での確定業績がどうだったのか、増配はあったのか、来期の業績予想&配当予想はどのくらいかに注目して分析していきたいと思います。
- イオンフィナンシャルサービスの2021年本決算の分析結果がわかる
- イオンフィナンシャルサービスの過去の業績の推移がわかる
- イオンフィナンシャルサービスに配当目的で投資をしてよいかがわかる
それではやっていきましょう!!
【イオンフィナンシャルサービス】2021年2月期 本決算情報
まずは、本決算ですが主な数字は以下の通りです。
今期の業績
「対前期増減率については記載しておりません」と書かれていますが、自分で計算したところ、前期比で売上高+6.6%、営業利益-37.5%、経常利益-38.8%、純利益-48.2%となりました。
前期比を見るとボロボロですが、3Q決算で発表された通期業績予想よりは多少上方修正されていることがわかります。
3Q→4Qの間の業績も比べてみましたが、例年に比べかなり利益が圧縮されており、本来の業績回復までにはまだ時間がかかると思われます。
財務状況
営業活動によるキャッシュフローが前年よりもかなり小さくなっています。
本業に関わる活動でキャッシュが稼げていないということなのでかなり厳しい結果だと思います。
自己資本比率が小さいのは金融業なのであまり気にする必要はありません。
今期配当額と来期業績/配当予想
今期の確定配当額と来期の配当/業績予想は以下の通りです。
2021年2月期の期末配当は23円で確定し年間配当は34円でした。
また、来期の配当予想は40円(中間14円、期末26円)となっていますが、中間期末それぞれ記念配当が2円ずつ含まれているので、普通配当は36円で2円の増配予想となっています。
来期の業績予想は出していますが、またもレンジという中途半端な出し方です…。
数字も下限が今期と同程度という超保守的な(?)予想となっています。
個人的な感想ですが、今期の配当が34円は少なすぎですね。
純利益が半分だから配当も半分にしたってことなんでしょうか?
コロナの業績悪化で取った経営陣の責任は役員報酬わずか20%の減額ですよ。
しかもたったの6ヶ月間。
一方、株主に対しては配当金を50%減額の負担を強いるって、株主軽視もいい加減にしろって感じです。
来期の配当予想も普通配当36円とかまじでナメてますね。
2022年には配当を68円に戻したいと言っていた経営陣の発言はウソだったわけですよね。
来期の業績予想もまたレンジで出してますし、、、しかも下限が今期と同じってあり得ないだろ!
世界的にワクチンの調達も進んでいるのにどこまで保守的なんだって感じです。
直近株価がめちゃくちゃ上がってたので決算には期待していたのですが、この内容では失望しかなかったですね。
各種指標
2021年2月期の本決算を受け投資指標を整理しておきます。この記事を書いている5/5時点での株価(1,240円)を基準にした各種指標値は以下の通りです。
指標 | 今期 | 来期予想 | 計算式 |
---|---|---|---|
PER(株価収益率) | 15.12 | 14.08 | 株価÷1株益 |
PBR(株価純資産倍率) | 0.67 | - | 株価÷1株当たり純資産 |
ROE(自己資本利益率) | 3.7% | 4.0% | 純利益÷自己資本×100 |
ROA(総資産利益率) | 0.3% | 0.3% | 純利益÷総資産×100 |
配当利回り | 2.74% | 3.23% | 配当額÷株価×100 |
業績の急激な悪化により、PERは15倍近くになって徐々に割高水準になっていますが、例年の業績からすると今の株価は割安水準だと思ってます(いつ業績が回復するかは不明ですが)。
配当利回りは年間40円で3.23%です。
金融株としては配当利回りはまだまだ低い方ですね。
PER、配当利回りの観点からは少し割高水準に感じるので株価はまだ下がるかもしれませんが、本来の実力からすれば割安水準なので、そこを市場がどう判断するかですね。
僕の予想ではこのあたりで株価は一旦落ち着きそうな感じがします。

本決算に対する見解
セグメントごとにコメントが書いてあったので簡単に要約しました。

コロナ禍において営業収益が増加したのは、国内・リテールにて、イオン・アリアンツ生命の損益計算書を取り込んだ影響が大きいようですね。
国内・ソリューションでも増収となっているのには、ちょっと驚きでした。
要因としては「カードショッピングやWAONの加盟店収益が増加」と記載がありますが、要するにWAONを使えるお店が増えたということだと思います。
これは今回の決算で唯一のポジティブサプライズでした。
国際においては、やはりコロナの影響が大きく、いずれも大幅な減収減益となっています。
東南アジアの方はお金を返さなくても平気な人たちが日本に比べて多いですからね。
コロナという状況も合わせて、政府による上限金利の引き下げとか、審査の厳格化とかはどうしようもないことかなと思います。
減益となっている主な原因はいつものように「将来の貸倒増加に備えた貸倒引当金の積み増しによる貸倒引当金繰入額の増加」です。
今期だけでおよそ781億円が貸倒関連費用として計上されています。
営業利益は406億円なので、2倍近くが計上されていると考えると多い気がしますよね。
営業収益の割合で考えると、営業収益(4,873億円)の16%なので、妥当かなという気がしなくもないです。
いずれにせよ、例年との比較にはなっていないので、何とも言えないところですが。
いつも言っているように貸したお金をきちんと回収できれば、絶対このマイナスの部分がプラスになるはずなんですよね~。
なので、コロナが落ち着けば、貸倒関連費用の割合も減って、お金も回収出来て、一気に業績が上がるとは思ってるんですけど、それがいつになるかはちょっとわかりませんね(笑)
【イオンフィナンシャルサービス】今後の見通し
今後の見通しとしては以下のように記載されています。
新型コロナウイルス感染症については、各国においてワクチン接種が開始され、経済活動の持ち直しが期待されるものの、国民全体への接種やその効果の見極めには時間を要すること、さらに変異株が拡大の様相を呈する等、未だ見通せない状況が継続しています。
当社事業は、各国における感染状況に取扱高が密接に関係することに加え、各国政府による給付金の支給等により、貸倒引当金繰入額や債権回収が影響を受けることから、次期の業績予想の前提となるシナリオを絞り込むことが難しい状況にあります。
このことから、2022年2月期の連結業績予想については、レンジ形式により開示しております。
今後の見通しについて、より合理的な見積もりが可能になりましたら、速やかに業績予想の修正を公表します。
要するに、コロナの影響を見通せないから、(逃げの)レンジ形式で業績予想を開示してますってことです。
本当に逃げというか保守的というかって感じですよね。
言ってることもわからなくはないんやけど、もうコロナ禍という状況になって1年が経つわけやし、ある程度コロナに対応して、ニューノーマルに対応してるんやろと思うわけですよ。
それで、来期の業績が今期と同じやったらブチギレですよね。
一体この1年間何をやってきたんだと。
さすがにこの業績予想は保守的過ぎると思いますが、これがリアルなら会社に対して失望しかないような業績予想だと感じています。
【イオンフィナンシャルサービス】本決算発表後の値動き
決算発表(2021/4/9)前後の値動きは、以下のようになりました。

※上記チャートはSBI証券様よりお借りしました。ありがとうございます。
値動きに対する私見
出来高がグンと増えて窓を開けて下げているところが、決算発表の翌日になるんですけど、予想通りの大幅下落ですね。
ぶっちゃけこの内容だと下がるのはしょうがないかなと思います。
特に短期の人たちはすぐに手放すだろうと思いますが、あとはどこまで下がるかが気になっていました。
地合いのおかげもあると思いますが、なんとか1,200円で止まったように見えます。
イオンフィナンシャルサービスは1回落ちるところまで落ちたんで、あとは上がるしかないと思っているんですけど、こういった決算のタイミングで落とされると冷や冷やしますね。
何度も言ってますが、業績予想も配当予想も保守的だと思っているので、4Qに向かうにつれて少しずつ株価は上がっていくと思います(願望含むw)
【イオンフィナンシャルサービス】過去の業績のおさらい
2021年2月期の業績が確定したので、過去の業績について簡単におさらいしておきます。
売上高/営業キャッシュフローマージン

営業収益(売上高)は右肩上がりに推移しています。
営業キャッシュフローマージンは安定していないですが、直近はプラスなので問題ないでしょう。
経常利益/純利益/配当額

今期の業績は利益ベースで見ると2013年と同じくらいなんですよね。
2013年の配当は50円なのに、なんで今期は34円やねんっていう感じですよね。
このグラフを見ているとイオンフィナンシャルサービスの株主軽視の姿勢に改めて憤りを感じます。
利益剰余金

今期は配当が50%も削られたので、配当維持年数(利益剰余金を配当総額で割った値)も前期の倍以上となり、32年を超えています。
もし配当68円を維持したとしても配当維持年数は15年近くあるので、少し無理してでも配当は維持すべきだったと思います。
配当額/配当性向

2010年は配当性向3,000%を超えてでも配当40円を維持するという姿勢を見せてくれたのに、社長が変わって会社の方針も変わったのか、今期の大幅減配は本当に考えられないですね。
イオンフィナンシャルサービスに投資して、社長が変わるというのは配当方針も変わる大イベントなんだということがとても勉強になりましたね。
20年以上続けてきた累進配当をこうもあっさり捨て去ることができるんですもんね。
グラフで見ると、直近は配当性向40%を維持しているようにも見えるので、業績連動型の配当方針に変更したのかもしれません。
業績連動型の配当は配当投資には向かないので、イオンフィナンシャルサービスに配当目的で投資しようとしている方は、今一度考えた方が良いかと思います。
少なくとも今からイオンフィナンシャルサービスに配当狙いで投資するという選択肢は僕の中ではありません。
【イオンフィナンシャルサービス】四半期決算分析〈2020.4Q〉まとめ
それでは最後に今回の記事をまとめます。
- 2021年2月期の業績は増収減益(増収はイオン・アリアンツ生命の損益計算書を取り込んだおかげ)
- 来期予想は増収増益増配だがコロナ前の業績には程遠い
- 配当目的でイオンフィナンシャルサービスに投資するのはオススメしない
いかがだったでしょうか?
新型コロナウイルスの影響を受け、今期も来期も業績はボロボロですね。
来期予想はさすがに保守的すぎると思ってるので、上方修正&増配期待をしています。
配当投資で最も大事なことは、減配しない株を選ぶことなので、イオンフィナンシャルサービスに配当目的で投資することは自分はオススメしません。
利益剰余金に余裕があるにもかかわらず、20年以上続けてきた伝統をあっさりと捨て去るという新経営陣の株主軽視の姿勢もいただけませんし。
NISAで購入したというのもあるし他に購入したい株がないというのもあり、僕はコロナ前に購入した500株だけいまだに保有していますが、追加購入はしません。
また、コロナが終息して業績が回復するのを10年くらい待つ覚悟もあります。
とはいえ、配当投資としては向かない株になってしまったので、他に買いたい株が出てきたときに資金不足であれば、損切であろうがイオンフィナンシャルサービスを売って購入資金を捻出する予定です。
配当狙いでここに投資するのは資金効率悪いよ。もっと良い株は他にあります。
この記事を書いた時点での分析です。
投資は自己責任でお願いします。
僕が掲げるマンビー投資法の投資方針や手法はこちら。

最後までお読みいただきありがとうございました
m(_ _)m
おわりでーす。